自己破産

公務員が自己破産するとどうなる?仕事を続けたい公務員の破産手続きと注意点を紹介

「公務員でも自己破産はできるのだろうか?」と疑問に思っていませんか?

結論から言うと、公務員でも自己破産することはできます。

しかし、公務員の方が自己破産する場合、注意したい点があります。

この記事では、公務員が自己破産すると周囲にバレるのか、退職金に影響は出るのかについて解説します。

 

公務員が自己破産しても解雇はない

一般的な国家公務員や地方公務員が、自己破産をしたとしても法律上の欠格事由に該当しないため、解雇されることはありません。

また、自己破産をしたことが原因で懲戒になることもないので安心して良いでしょう。

ただし一部の職業や資格は、破産手続き開始がされると制限を受けることになります。

具体的には、公正取引委員、人事官、公安委員など特殊職が該当します。

資格制限のある職についている公務員は、自己破産の手続き中は業務を中断しなければいけません。

自己破産の手続きには2~3ヶ月ほどの期間が必要になるため、その間の仕事はどうするのか事前に職場に相談しておくことが重要です。

 

自己破産が職場にバレるケース

法律上は自己破産しても解雇されない、と言われても、勤務先に知られるのかどうかは気になりますよね。

公務員が自己破産をしてバレるのかどうかは、以下の2点がポイントになります。

 

官報を確認される

官報とは国が発行する資料で、そこには自己破産した人の氏名や住所が記載されます。

官報は、インターネットで誰でも閲覧できる資料です。

しかし、一般の人たちからすれば「官報」自体を知らない人がほとんどでしょう。

官報を知らない自己破産とは無縁の人たちが、わざわざ閲覧する可能性は低いと考えられます。

 

共済組合から借入がある

公務員の中には、共済組合の貸付を利用している方もいるでしょう。

共済貸付では住宅ローンだけでなく、マイカーローンや家電購入など幅広い目的でお金を借りられます。

共済組合からお金を借入している方は、自己破産をしたことがバレる可能性が高いのが現状です。

これは共済組合から借金をした際の返済方法が、給与からの天引きによって行われることが関係しています。

自己破産手続きが開始されると、すべての借金の返済を一時的にストップする必要があり、弁護士事務所から共済組合へ「受任通知」という郵送物が送られ、給与天引きの停止が要求されます。

これにより、職場に自己破産したことがバレてしまうのです。

自己破産の場合「債権者平等の原則」と言って、全ての債権者を公平に扱う必要があります。

そのため共済組合からの借入だけを、自己破産手続から外すことは出来ません。

もし共済組合を対象から外して債務整理をするのであれば、交渉する債権者を個別選べる「任意整理」の手続きを検討すると良いでしょう。

 

自己破産で公務員の退職金はどうなる

自己破産手続きをすると、高額な財産や一定以上の現金は没収の対象となりますが、これは将来受け取れる退職金も例外ではありません。

民間企業と比べると身分保障が厚い公務員は、退職金が高額になる傾向があります。

かなりの額が没収される可能性があるため、自己破産すると債務者の退職金にどんな影響があるのか、しっかり把握しておきましょう。

 

退職金見込額証明書が必要

自己破産をする場合は、退職金見込額証明書を裁判所へ提出することが必要です。

退職金見込額証明書は、会社の総務部や人事部に申請すればもらうことができます。

ただ、証明書をもらいにくい場合は、退職金規程のコピーと計算式を裁判所に提出することができれば、退職金見込額証明書がなくても問題ありません。

 

退職金見込額の8分の1

近い将来退職する予定がない公務員が自己破産をする場合には、現在もらえる見込の退職金総定額のうち、8分の1だけを財産として没収されることになります。

ただ、この額の大きさによって財産の処理方法が異なることに注意しましょう。

退職金総定額の8分の1の金額が20万円を超える場合、管財事件として処理されるため「破産管財人」が選定され、各債権者への配当を監督されます。

破産管財人とは裁判所が選任する弁護士で、破産者の財産を管理したり、債権者への配当がなされているかの確認を主な業務としている者のことです。

基本的に自己破産をする場合、手元にお金がないことが多いため、没収される退職金総定額は分割払いが認められています

 

見込額の8分の1が20万以下の場合

退職金見込額が20万円を超えていなければ、処分されず手続きを進めることができます。

また自己破産をしても、退職後は予定されていた退職金をきちんと受け取れるので安心して良いでしょう。

 

退職金が高額の場合は個人再生も

公務員の退職金の見込額は比較的高額になります。

そのため、退職金見込み額の8分の1でも数百万円になる場合もあるでしょう。

借金の返済に困っているのに、破産手続を進めるために数百万を用意することは大きな負担になると考えられます。

しかし、退職金見込み額を支払えなければ、そもそも自己破産手続きが終了せず、免責許可も得られません。

もし退職金見込み額の準備が難しい場合には、個人再生などの他の債務整理手続きを検討したほうがいいでしょう。

 

公務員が自己破産しても欠格事由にはならない

この記事では公務員が自己破産すると職場にバレるのかや、退職金への影響を紹介しました。

自己破産をしても欠格事由にはならないため、公務員の職をクビになることはありません。

しかし周囲にバレる可能性はゼロではないため、職場に自己破産したことが知られてしまい、仕事を続けることが困難になる場合もあります。

そのため法律のプロである弁護士に相談した上で、自己破産をするかどうか慎重に検討することが重要です。

 

こんな方におすすめ

  • 公務員でも自己破産はできる
  • 公務員が自己破産した場合、周囲にバレる可能性はある
  • 退職していない公務員が自己破産すると、退職金見込額の8分の1を財産として没収される
  • 弁護士と相談した上で、自己破産以外の債務整理手続きも検討したほうが良い

 

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